NPO法人 さっぽろ住まいのプラットフォーム設立趣旨
(1)趣旨
私たちの国では、少子高齢化の急速な進行や、地球温暖化問題の深刻化など社会情勢の変化にともない、「住まい」に係わる社会的要請も変化してきております。一方、個々の住まい手にとっても、「自分らしく住まいたい」居住のニーズが多様化しています。この他、私たちが暮らす札幌圏においては、寒冷積雪や歴史風土の地域独特の生活背景があります。
こうした社会的、地域的な背景のもと、安心・安全、自立と介護・子育て支援、住宅の耐震化など住まいに係わる円滑な対応の促進が求められるなど、「住まい」については“住宅など器としての住まい”(ハード)の側面とともに、“ライフスタイル・住様式など住まい方”(ソフト)の側面をもつと考えられます。
そのため、住まい手の有する課題は、より複合化・高度化し、それに応じる個別の専門家や、行政の対応だけでは限界が生じてきており、総合的に対応可能な体制やネットワークによる対応の整備が急務と考えます。一方で、構造計算書の偽造問題や悪徳リフォーム問題など、住まい手が信頼できるよりどころが不明瞭になっているため、住まい手自らが「住まう力」を培うことも重要となってきております。
私たちは、市民の豊かな住まいの実現には地域に密着した、市民、市民活動団体、公益法人、事業者、及び行政など、様々な立場や分野が連携・協働することで、住まいの課題に対して、横断的かつ総合的に対応可能な仕組みづくりが必要と考えます。すなわち、様々な主体が協働し、複合化する市民の住まいの諸問題について解決に導き、「住まう力」を高め、新たな住まいの解決策を提案できる「場」としての「さっぽろ住まいのプラットフォーム」を創設し、パートナーシップによる運営が求められると考えます。
また、様々な立場や分野と連携し、信頼と責任ある活動を図っていくためには、社会的な責任を持った組織・運営体制の整備とともに、その「場」を効果的に機能させるために、様々な立場や分野を円滑に繋ぐ役割を担う人材、運営体制が不可欠です。こうした面からも、プラットフォーム機能の運営主体は、公益性と中立・自主自律を保持し、契約等の社会的手続きが可能で、透明性の高い運営が求められるNPO法人格の取得が最も適切と判断しました。
このため私たちは、地域の仕組みとしての「さっぽろ住まいのプラットフォーム」を創設及び運営し、「住まい」に係わる様々な主体との協働事業を実施し、複合的な相談事業や相談員の育成、情報の提供、知識の普及啓発、調査や研究による新たな社会ニーズに対する提案を図ってゆきます。これらの活動を通して、市民の「自分らしく住まう」ことの実現、市民の「住まう力」の向上、「誰もが安心に安全に自分らしく住み続けられるまち」の創造に寄与することを目的として、主として札幌圏の広く市民を対象に、本組織を設立します。
(2)申請に至るまでの経過
「住まいのプラットフォーム」は、札幌市の住宅政策のマスタープランにあたる「札幌市住宅基本計画」において、今後の民間住宅の支援策として提起されました。そこでは、住民、事業者、行政という主体間、及び多様な専門分野間が連携し、それぞれの役割を担いながら、住まいに関する情報の蓄積・共有化、それらの提供や助言等を行うことにより、住民の住まいニーズに対応してゆくシステムとして位置付けられています。
札幌市の呼びかけを契機として、平成16年10月より、建築、福祉、金融など、住まいに関連の深い公益団体及び市民活動団体が集まり、このシステム構築に向けた議論を開始しました。また、平成17年10月から平成18年度にかけて、住まいの相談窓口、市民への住まいの情報の普及啓発を目的としたセミナー、ホームページ等による情報提供、及び他の市民活動団体等と連携した情報提供事業等、を実施してきたところです。
- 平成16年10月
- 「住まいのプラットフォーム」意見交換会発足
(10団体と札幌市都市局市街地整備部住宅課。3月までに委員会5回、幹事会5回を開催) - 平成17年3月
- フォーラムの開催(検討の発表、パネルディスカッション)、参加者約80名
- 平成17年4月
- 「住まいのプラットフォーム検討委員会」に組織変更。
- 同年度に委員会11回開催。
- 10月より札幌市役所7階にて、バリアフリーに関する相談試行を実施(約40件)
- 市民向け出前型セミナー、事業者向けセミナーを実施。
- 平成18年4月
- 委員会を継続設置。札幌市と委員会は「協定」を締結。
- 6月より相談事業を、札幌商工会議所にて改訂試行。11月末現在、51件。
- 「プラットフォーム」に関するセミナーの実施。
- 市民向け出前型セミナー6回実施。高齢者向けセミナーのシリーズ実施を企画中。
- シニア住宅見学会、高齢者向け賃貸住宅に関するフォーラム開催
(いずれもNPO法人シーズネットとの共催) - 情報発信誌「プラットフォーム通信」を11月より発刊(月間)
- ウェブサイトを開設試行。12月よりシステム変更、ブログスタイルにシフト。
- 8月より、NPO法人化に向けた体制、事業計画を深度化。
これらの取り組みや試行を通し、組織や運営、事業化の熟度が高まってきている実態を踏まえ、本申請に至った次第です。
平成19年4月20日
特定非営利活動法人 さっぽろ住まいのプラットフォーム
設立代表者:山本 明惠